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2025/04/10 09:38

こんにちは、バイヤーのエイミです。こちらの記事は、ティファニー財団の物語 中編1の続きとなります。


火災による消失と復活

ティファニーが1933年に亡くなった後、ローレルトン・ホールの管理はルイス・コンフォート・ティファニー財団に引き継がれていました。それから時代の流れとともに、アーティストの「退避場所」という意義を失い、海軍に提供される時期も終わると、競売にかけられ忘れ去られていきます。そして、放置され続けた館を、生前ティファニーが危惧した通り、火災が襲います。
火災により、建物は焼け落ち、ティファニーの夢は遺跡と化しました。しかし、ティファニーの作品の多くは既に競売にかけられており、絵画や彫刻、ウィンドウガラスなどは難を逃れている状況です。ティファニーの作品はまだ生きていました。

火災の知らせを聞いたヒューとジャネット夫妻が、後日、焼け落ちた廃墟を訪れました。ヒューはむかし、ティファニーのフェローとしてこの場所で生活していました。ヒューと同じく芸術を愛していたジャネットは、廃墟を前に決意します。

「残されたすべてを買い取って、それらを救いましょう」

彼らはこうして、チャールズホスマーモース美術館を立ち上げ、ティファニーの作品を後世に残す偉業を成し遂げました。

ローレルトンホールを失う代わりに、ティファニー財団は、火災後の数十年間、アーティストに資金を提供することに専念し、その結果はさまざまな形で成果を上げていき、ティファニーの意思は受け継がれていきます。ローレルトン・ホールを手放した直後、財団は多くの年にわたって「ティファニーの多才な才能と興味を反映した範囲のカテゴリー」で年次コンペティションを組織し、ニューヨークのナショナル・アカデミー・オブ・デザインを通じて運営されました。
また、時折、新進気鋭のアーティストから作品を購入して美術館のコレクションに寄付したり、見習いプログラムを実施したり、個々の直接助成を行ったりしました。
1980年までに、これらのさまざまな活動は統合され、ティファニー財団が今日認識されているプログラム、すなわち二年ごとに30人のアーティストに多額の助成金を授与するプログラムに発展しました。この活動は、1975年から理事を務め、1980年から理事長を務めているスペローネ・ウェストウォーターのアンジェラ・ウェストウォーターによって開始されています。
財団には物理的な場所はなく、アメリカ美術連盟(AFA)が日常的に管理しています。理事の数は年々変動しており、今日では16人のメンバーが理事会を構成しています。理事会は芸術界内外の専門家と、いくつかのアーティストで構成されています。
スペローネ・ウェストウォーター・ギャラリーのボード会長アンジェラ・ウェストウォーター、美術デザイン博物館の名誉ディレクターポール・J・スミス、イェール大学の批評家、キュレーター、教授ロバート・ストール、写真家のシンディ・シャーマンなど、25年以上、またはそれ以上長く活動しているメンバーもいます。
過去の理事にはロイ・リキテンスタイン(1982-1996)、ナンシー・グレーブス(1989-1995)、マーティン・パーヤー(1988-1998、2019年ヴェネツィア・ビエンナーレのアメリカ代表)が含まれます。現在および比較的新しい理事のライル・アシュトン・ハリス、ケリー・ジェームズ・マーシャル、サラ・ゼなどは、徐々に包括的になりつつある芸術界の多様性を反映し、芸術界のシステム内で活動するアーティストとしての貴重な視点を提供しています。

現代では、アメリカ美術連盟(AFA)が2015年からティファニー財団を管理しています。AFAのディレクターであるポーリーン・ウィリスの下での管理は、財団の安定性を維持しており、財団は2年ごとに約60万ドルを贈与していて、賞金の使途に制限は一切ありません。1980年以来、合計1,000万ドル以上が授与されています。この助成金には申請はなく、アメリカ全土のキュレーター、美術史家、批評家、その他の芸術専門家が、資金提供に値するアーティストを推薦します。アーティスト自身は、自分を推薦した人を知ることはほとんどありません。



-続く

引用
BrooklynRails Artonic April 2019 The Louis Comfort Tiffany Foundation
In the nexus of the art world, foundations are often perceived as mysterious nebulas.
Mark Rosenthal, “Artists Extending Their Reach,” Brooklyn Rail (December 2018-January 2019)
Letter from Dorothy Tiffany Burlingham to Robert Koch, dated 1965. Quoted in Koch, Richard Louis C. Tiffany: Rebel in Glass, Updated Third Edition (New York: Crown Publishers, Inc., 1982)
John Kimberly Mumford, “The Year at the Tiffany Foundation,” Arts & Decoration (Vol. 14, February 1921)
“Tiffany Property to Go at Auction,” New York Times, September, 8, 1946. The article misstated the Foundation’s date of establishment. The Louis Comfort Tiffany Foundation was incorporated on July 30, 1918.
Shortly after the fire, collectors Hugh and Jeanette McKean salvaged and purchased many of the furnishings, windows, and other artifacts that survived. Most of these are now housed in the collection of the Charles Hosmer Morse Museum. A four-column loggia from the house is also in the collection of the Metropolitan Museum of Art, New York.
Louis Comfort Tiffany Foundation Mission Statement 

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